四国貝類談話会ｉｎ愛媛県

久しぶりの更新です。
ちょっと忙しくてサボってました。
最初に訃報なのですが大阪の貝屋さんの高木氏が3月末に亡くなられました。
少し前に中国の桂林のMiraphaedusa takagaiiを紹介しましたがその発見者です。
他にも中国のOospiraやTropidaucheniaにも名前がついています。
凄く行動力があるというかバイタリティがあって中国のほか東南アジア、中南米、オセアニア等に盛んに出かけていました。
しかも現地の言葉がまったく分からなくても、旅の間は身振り手振りと大阪弁で貫き通していると聞きました。
数年前から闘病されていたのは知っていましたが非常に残念です。
私が海外の陸産貝類に興味を持つきっかけとなったのは、彼が持ってくる奇妙な貝を見たのが始まりだったと思います。
海外の貝類採集の開拓者であり、とても個性的な人物でした。
ご冥福をお祈りします。

さて本題です先週末に愛媛県で四国貝類談話会の観察会と公演会に参加してきました。

初日の午前中は旧寒風山トンネルの周辺で陸産貝類の観察です。


標高が高いため気温が低いせいか、陸産貝類の活動が鈍いようです。


アワマイマイ Euhadra awaensisの山地タイプです。
色が濃くてイワミマイマイのような雰囲気です。
まだ冬眠中だったのか厚いエピフィラムを張ってました。


礫石の斜面ではハリマムシオイ Chamalycaeus japonicus japonicusが見つかりました。


シマケルギセル Pinguiphaedusa schmackerii


アワクリイロベッコウ Japanochlamys awaensis


礫石の下からコガタブチサンショウウオ Hynobius yatsui も出てきました。


これは何をしているのでしょうか。
実は手のひらに乗せていたハリマムシオイが風に飛ばされて落ちたので探しているところです。
結局見つからなかったようです。

午後は干潟チームと陸貝チームに分かれて移動です。
しかしほとんどの人は干潟へ行きました。
陸貝チームは多田さん、大久保さんと若手2名の計4名です。

トンネルを高知県側へ抜けて、山の中で陸貝を探しましたがいまいちでした。
ゆっくり探している時間もないので、新寒風山トンネルを通り愛媛県に戻ります。
多田さんの超アクティブな運転に着いていくのがやっとです。


多田さんのとっておきの場所に案内してもらうことになりました。
しかし30年ぶりに行くらしく場所がはっきりしません。
地元農家の人に尋ねながら、それらしい場所に着きました。


お目当ての貝がいました。シロハダギセル Neophaedusa akiratadai
多田さんに献名されています。
何でも模式産地より先に見つけた場所らしいです。
そのあとに精査して見つかった個体数の多い産地を模式としたそうです。


宿泊先のバンガローです。


夕食は鍋や山菜のテンプラなどで、とても美味しかったです。
そして深夜まで酒を飲みながらの貝談義は楽しかったです。


翌日は愛媛県総合科学博物館の集会室で講演会です。
外壁のデザインが斜めで不思議な建築です。
とてもきれいな建物でした。


今年のトピックのひとつ、岡大の福田さんによる脅威の新種アキラマイマイ Satsuma akiratadaiの発見に至る経緯等の発表。


そして、発表を見守る多田さんの後姿。

来年の談話会は高知県大月町だそうです。
さらに遠いですな。でも行きたいと思います。

タグ：陸産貝類 四国貝類談話会

コメント 2

四国貝類談話会の紹介ありがとうございました。
採集会もお疲れ様でした。
by 矢野 (2015-04-27 17:36) 

矢野様
ありがとうございました。
ゴマガイとキュウシュウゴマガイの識別点はとても参考になります。標本を見直してみます。
来月は日本貝類学会の北海道大会ですね。
by Green slug (2015-04-28 22:26)