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沖永良部島の陸産貝類 [陸産貝類]

お久しぶりです。
11月の連休に沖永良部島に行ってました。
前回が2001年なので17年ぶりです。

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住吉暗川(クラゴー)
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沖永良部島は石灰岩の島です。
浸透した雨水が集まり地下河川となり、それが所々で地上に現れます。
陸産貝類の生息に良さそうですがオカチグサ類やオカチョウジ類、アジアベッコウなどあまり良くありません。

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アジアベッコウ Macrochlamys sp.
南西諸島に最近侵入してきた外来種。当然、前回の2001年には見なかった。
それが今では森林から集落周辺など島の広い範囲に生息。
乾燥にも強いようで公園の芝地にも見られました。

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アシヒダナメクジ Eleutherocaulis alte
これは以前からいた外来種。

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チャコウラナメクジ Ambigolimax valentianus
これも本土にも広くいる外来種。

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ヤマナメクジの一種 Meghimatium sp.
沖縄本島北部に分布するヤンバルナメクジMeghimatium sp.など南西諸島にはこの手の本土のヤマナメクジMeghimatium fruhstorferiとは違った未記載種と思われるナメクジ類が分布しています。

そして沖永良部島にはこれらとも違った赤いヤマナメクジがいるのです。
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おぉ赤い。

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背面に白い模様のある個体もいます。樹林性で沖永良部島の固有種の可能性が高いです。
前述したヤマナメクジの一種より小さく明らかに別種です。
狭い島に大型ので固有のナメクジ類が2種も生息しているものなのか?
もしかすると乳白色のヤマナメクジは他の島から人為的に移入されたのかも。
2001年に訪れた頃はナメクジ類に興味が無くて記録にも記憶にもありません。
残念です。

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そうそう飼育している赤いヤマナメクジが卵を産みました。
美しいです。

いつまで外来種とナメクジを紹介しとんねん。
ということでほかの在来種たち。
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オキノエラブヤマタカマイマイ Satsuma eucosmia erabuensis
以前は沖永良部島の固有種となっていましたが、現在はオキナワヤマタカマイマイの亜種となっています。
ほかのオキナワヤマタカマイマイ類とは違った雰囲気のある良い貝です。
殻色や色帯のバリエーションは少ないです。

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シラユキヤマタカマイマイ(ヒメユリヤマタカマイマイ)Satsuma largillierti
この貝も以前はヒメユリヤマタカマイマイと呼ばれてました。
沖永良部島の固有種で生息域が狭いため超レア種として憧れていました。
2001年の際は成貝は見つけられず幼貝を持ち帰り飼育しています。
現在は沖縄本島に分布するシラユキヤマタカマイマイと同種と分かりました。
しかし同種といえども沖永良部島の個体群としては生息範囲も狭いので注意が必要です。
分類については以下の資料を参考にしています。

沖永良部島以南に分布するオキナワヤマタカマイマイ類(有肺類:ナンバンマイマイ科:ニッポンマイマイ属)の再検討と再記載
亀田 勇一・加藤 真
Systematic Revision of the Subgenus Luchuhadra (Pulmonata: Camaenidae: Satsuma) Occurring in the Central Ryukyu Archipelago
Yuichi Kameda and Makoto Kato
(2008) 66 (3-4): 127-145

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キカイキセルモドキ Luchuena reticulata
沖永良部島に広く生息して風通しの良い林縁部などで樹幹や枝に付着しているのが観察できます。
キカイキセルモドキ類は他に2種がいますが最も生息域が広い。

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トカラコギセル Reinia eastlakeana
沖永良部島はキセルガイ類は種類が少なくエラブギセル、チャイロノミギセル、トカラコギセルの3種のみが確認されました。

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エラブマイマイ Nesiohelix irrediviva
沖永良部島の代表種です。
日本に分布する現生のNesiohelix属は本種のほかに尖閣諸島のアツマイマイ、北大東島のヘソアキアツマイマイ、南大東島のオオアガリマイマイだけです。
尖閣諸島のアツマイマイは一般人は近づけません。また大東諸島の2種は今年に国内希少野生動植物種に指定されました。
なので唯一触れることのできるNesiohelix属です、しかし近い将来に大東諸島のNesiohelix属と同じ運命を辿らないか心配です。



宮崎県のカタツムリの正誤表が公開されています。
https://sites.google.com/view/nishi-hirotaka/publication/errata_nishi_nishi_2018


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